さんこまラジオは、
毎月のべ200名の子ども達が利用する三陸駒舎の現場から
馬との暮らしやホースセラピー、自然体験などを提供する中での、
気付きやノウハウを毎週音声でお届けしています。
- 子どもとの関わり方は、これでいいのかしら…
- 森のようちえんに、馬や動物も取り入れたい!
- 発達がちょっと気になる子がいるんだけど、どの様に支援したら良いの?
音声配信 さんこまラジオ
現在、三陸駒舎では、
発達にデコボコのあったりする未就学から小中学生の子ども達が、毎月延200名が利用し、
乗馬や馬の世話、森遊び、川遊びなどの自然体験、畑仕事など、様々な体験活動を提供しています。
子どもの発達には、馬や自然はとても良いと日々実感しており、
この経験をこの現場だけに留めておくのは、もったいないと、ネットラジオにして共有しています。
プレーパークや森のようちえんに関わる方々にも、お役に立てる内容です。
音声配信なので、家事をしながら、移動中など、スキマ時間でお聴きいただけます。
“力を抜く”ことで広がる世界──馬と身体がひとつになる瞬間とは?
馬と過ごす5月の合宿、今回はその「後半戦」の振り返り。テーマは、“力を使わない身体の在り方”。方条さんの「省エネ身体技法」や、空気のような圧で馬を動かすワークから、場をまるごと包み込む“ホール”の感覚、そして能動でも受動でもない「中動態的な関係性」まで——。子どもたちとの関わりや古武術の視点と共鳴しながら、言葉にしきれない体感がそっと輪郭を現していきます。
ホールでつながる空気感、馬と息を合わせる無言の対話、そして“刺さる”ように自然と溶け込むリズム。今回の合宿は、体と心、そして場そのものを信じる旅でした。
聴き終わる頃には、きっとあなたも「力を抜くって、こういうことかも」と感じられるはず。
ぜひ最後までお聴きください。
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「馬と身体」対談&鼎談 アーカイブ販売
馬と人、そして言葉〜馬と身体と子どもが教えてくれる、分断を越える生き方
https://kamakoma.org/shintai202505_dialogue/
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お便りフォーム→ https://bit.ly/4hhsQr1
#ホースセラピー #森のようちえん #発達支援 #野外教育 #子どもと馬 #非言語コミュニケーション #身体性 #マインドフルネス #フロー体験 #子育てのヒント #言葉を超えて #感覚を育む #自分を感じる #体で学ぶ #自然の中で育つ #療育 #自由な遊び #プレイセラピー #感情と身体 #教育の原点
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## キーワード
`省エネ身体技法` `ホールとカットの感覚` `中動態`
## 主な学び
1. 省エネ身体技法: 力を抜いて脱力することで十分な力を発揮し、身体への負担を減らす技法。重心の操作や全身を使った着地など、馬との関わりにも応用される。実際のワークでは、馬をなるべく触れずに動かすことや、段階的に圧を高めていく体験も行われた。
2. ホールとカットの感覚: 全体を包み込む『ホール』の感覚と、部分的な『カット』の感覚の対比。馬や子どもたちと関わる際、場全体を捉えて一体感を持つことの重要性が語られ、実際に子どもたちの教室で場が一体化する瞬間があった。
3. 言語化の限界と最小の輪郭の共有: 体験や感覚を言葉にすることの難しさと、言葉で伝えられる最小限の輪郭を共有することの意義。言葉にできない部分が多いが、言葉を使うことで体験を深めたり他者と共有したりできる。
4. 中動態の感覚: 能動と受動の間にある『中動態』の感覚。馬や自然環境、武術などで体験される、コントロールとフュージョンの間の状態。東北地方の方言「〇〇ささる」もこの感覚を表現している。
5. 馬と身体合宿の対談・鼎談の内容: 2025年5月に行われた馬と身体合宿の夜の対談・鼎談の内容。古武術研究や身体思想観、子育て相談など多様な視点から語られ、家族連れの参加や具体的な子育て相談もあった。
## 知識の説明
### 1. 省エネ身体技法
– 力を抜いて脱力することで十分な力が出る。
– 重心を操作することが大事。
– 歩くときは重心を前に倒すことで自然に足が出る。
– 1メートルくらいの高さからジャンプして降りる際も、全身の関節をたたみながら着地し、音を立てずに猫のように降りることで身体の負担を減らす。
– 馬と関わる際も、力で動かそうとせず、なるべく触れずに動かすことでお互いの負荷が少ない。
– 馬を動かすワークでは、最初は触れずに手をかざして空気を押すようにし、動かない場合は段階的に圧を高めていく。
– **1メートルの高さからのジャンプ着地**
> 公道で1メートルくらいの高さの舞台からジャンプして降りる際、全身の関節をたたみながら着地し、足でドーンと衝撃を受けず、音を立てないように猫のように降りる。
1. 全身の関節をたたむことで衝撃を分散し、身体への負担を減らす。
2. 音を立てないようにすることで、着地の衝撃が少ないことを確認できる。
– **馬を触れずに動かすワーク**
> 2日目の最初に、馬をなるべく触れずに動かしてみるワークを実施。最初は手をかざして空気を押すようにして動かし、動かない場合は段階的に圧を高めていく。
1. 最初は触れずに手をかざして馬を動かすことを試みる。
2. 動かない場合は指先で軽く触れるなど、段階的に圧を高めていく。
3. 最終的には触れずに手を振るだけで馬が動くようになることを体験。
### 2. ホールとカットの感覚
– ホールは全体を包み込む感覚で、馬や自分、場全体が一つになっている状態。
– カットは部分的な感覚で、体の一部や動かし方などに意識が分断されている状態。
– ホールの状態では心地よいコミュニケーションややり取りが生まれる。
– 子どもたちの教室でも、場全体を捉えて関わることで一体感が生まれる。
– **子どもたちの教室でのホールの感覚**
> 講堂で子どもたちが騒がしく遊んでいたが、北條さんがスイッチを入れると場が静かになり、全体が一つになったような感覚が生まれた。
1. 最初は騒がしい状態だったが、北條さんの働きかけで場が静かになった。
2. 全体が一つになったようなホールの感覚が生まれた。
3. 部分的な意識(カット)ではなく、全体を包み込む感覚(ホール)が重要であることが実感された。
### 3. 言語化の限界と最小の輪郭の共有
– 感覚や体験は言葉で全てを伝えることができない。
– 言葉で伝えられるのは体験の輪郭のみ。
– 言葉にすることで体験や感覚を深めたり、他者と共有したりできる。
– 北條さんは言葉そのものを信頼していないが、言葉にすることの意義も認めている。
– 吉光さんも編集の仕事を通じて、言葉で伝えきれない体験の奥深さを感じている。
– **編集者の吉満さんの体験**
> 馬と体験したことで、言葉では全然追いつかないと感じ、編集の仕事を辞めてもいいかもと思ったが、それでも言葉が好きで、輪郭だけは伝えられるかもしれないと考えている。
1. 体験の全ては言葉にできないが、輪郭だけは伝えられる可能性がある。
2. 言葉にすることで他者と共有したり、体験を思い出したりできる。
– **方条さんの著書『上達論』**
> 言葉にはできないことを一冊の本を通して伝えている。
1. 言葉で全てを伝えることはできないが、言葉にすることで何かを伝えようとしている。
### 4. 中動態の感覚
– 中動態は能動と受動の間の状態を指す。
– 馬と一緒に歩くときも、コントロールではなくフュージョンする感覚。
– 東北地方の方言『刺さる』は中動態的な感覚を表す。
– 自然環境の中ではコントロールできない感覚が残っている。
– 都市では人間が設計した環境でコントロールできる感覚が強い。
– 武術でも、相手が技をかけられたと感じない状態で技が効いているのが理想とされる。
– **東北地方の方言『〇〇ささる』**
> 『この山菜食べ刺さっちゃうんだね』のように、食べているわけでもなく、自分の意志で食べているわけでもない、ついつい食べてしまうような感覚を表す。
1. 能動と受動の間の感覚を表現している。
2. 自然環境の中で生きている感覚が残っているため、今でも使われている。
– **馬と一緒に歩くリーディング**
> リードはたるんでいても、一緒に歩調を合わせて歩いている状態。無理やり引っ張るのではなく、自然に一緒に歩く感覚。
1. コントロールではなく、フュージョンする感覚が重要。
2. できているかできていないかがはっきりわかるワーク。
– **武術での技のかかり方**
> 相手が技をかけられたと感じない状態で技が効いているのが理想。自分もかけている感じがしないが、技が効いている状態。
1. 中動態的な感覚が武術にも共通している。
2. 結果がはっきりしているため、わかりやすい。
### 5. 馬と身体合宿の対談・鼎談の内容
– 対談はきびはらと方条さん、鼎談は吉満明子さん(千住出版)を加えた3人で行われた。
– 吉満さんはセンジュ出版という小さな出版社を10年運営している。
– 方条さんの古武術教室の場所も吉満さんが作った場所。
– 昼は古武術のお稽古、夜は対話の時間があった。
– 前半の対談では子育てや参加者からの質問に答えた。
– 家族連れでの参加や、具体的な子育て相談もあった。
– 身体的な視点や、異なる視点からの意見交換が行われた。
– 三陸駒舎で検索すると商品ページやアーカイブ販売の案内があり、概要欄にもリンクが掲載されている。

お勧めテーマを3つ紹介します
毎週コツコツと更新を続け30本の番組となりました。(2021/12/06現在)
本数も増えてきたので、3つのお勧めテーマで、3番組ずつ紹介したいと思います。
子どもとのコミュニケーションを馬から学ぶ
子どもとのコミュニケーションの深め方を馬との関わりから捉え直します。
馬とコミュニケーションを図る時には、フェーズという構造を用いています。
フェーズを意識できるようになると、子どもとの関わる際にも適切なコミュニケーションが取れるようになります。
フェーズは、0から4までの4段階あります。各フェーズの中にも強さの違いもあります。
▼合わせて聴きたい
010 馬との関わりは、子どもとのコミュニケーションに通じる 子ども支援に関わるスタッフのトレーニングに最適、馬が先生
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/010-e139grk
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
https://peing.net/ja/kibihara
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子ども達と関わる時にその場を読み取る力をつけるには、どうしたら良いでしょうか?
馬とコミュニケーションを深める際に、丁寧なコミュニケーションが求められます。
このコミュニケーションの力は、子ども達と関わる時にとても活かされます。
その場を読み取る力—解像度を上げるために、馬から学べることが多くあります。
解像度を上げる方法、適切に場面を捉える力の養い方についても語りました。
▼合わせて聴きたい!
010 馬との関わりは、子どもとのコミュニケーションに通じる スタッフ研修に馬が良い理由
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/010-e139grk
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
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前回、お話した馬のコミュニケーションの特徴の2つのポイント
- 空気、雰囲気を感じる力
- 誰とでも平等に接する(先入観を持たないで関わる)
は、子どもとコミュニケーションを深める上でも重要な要素です。
馬を先生に子どもとのコミュニケーションを学ぶことができます。
▼合わせて聴きたい
009 馬とのコミュニケーション〜馬はKY(空気読める)、自分の心と映す鏡、誰とでも平等に接する
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/009-KY-e130s83
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森での活動内容を考える上で役に立つツール3選
子どもの学び・育ちにつながるプログラムづくりポイント
子どもの成長や学びを推し進めるために3つの歯車をかみ合わせることが重要です。
3つの歯車とは、「個性」「環境」「課題」
それぞれの歯車をかみ合わせるための考え方について、詳しく語りました。
この3つ歯車の考え方は、子どもの成長や学びだけに留まらず、組織運営などにも応用可能です。
ぜひ、様々な現場でこの考え方を活かして下さい!
▼合わせて聴きたい
018 コミュニケーションの段階 〜適切な強さで関わりが出来ていますか?〜
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/018-e17hb41
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子どもの主体的な学びには、「意味ある活動」がとても大切です。
馬の暮らし型セラピーが子どもの学びにとって効果的な特徴の一つして「意味ある活動」として提供されていることがあります。
「意味ある活動」とは、どんなものなのか、具体例も交えて紹介しています。
▼合わせて聴きたい
013 成長・学びのカギとなる3つの歯車
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/013-3-e15s58g
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子どもの学びが一番進む課題の難易度の設定のポイントは、難しすぎず・簡単すぎず、「ちょっと頑張って達成できる」です。
子どもの反応を見ながら課題の難易度の調整をします。子どもが集中していたり、生き生きした表情をしているのが一つのサイン。
馬の活動の具体的な事例も紹介しながら解説しました。
▼合わせて聴きたい
013 成長・学びのカギとなる3つの歯車
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/013-3-e15s58g
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でこぼこした発達の子どもとどう関わるか?
ちょっと気になる子に対して、私たちはどの様にアプローチしたら良いのか、そのヒントが得られます。
自然体験は、五感に良いと良く言いますが、具体的にどう良いのでしょうか?
そもそも五感という考えが古くて、7つの感覚があります。
五感の他に、前庭覚、固有受容覚という感覚があります。
それぞれ、どんな感覚なのか、解説しました。
▼合わせて聴きたい
048 感覚は脳が育つ栄養素〜感覚統合で見えてくる子どもの必要な遊び〜
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/048-e1h8im8
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自然や馬の活動の中には、非定型なモノであふれています。
非定型とは、型が定まっていない状態。つまり、人工的な環境とは真逆ということ。
自然や馬は、非定型で、情報量が人工的な環境とは格段に多くなります。
同じような活動をしていても、ちょっとした子どもの動きの違いで、環境から受け取る情報は変わってきます。その日の天候やコンディションによっても変わってきます。
同じように見えても同じ体験はありません。
支援者・保育者が、活動の設定をあまりしなくても、子ども自身が活動の難易度の調整もすることが出来ます。つまり、その子にあった活動に自然と変化していきます。
環境から受け取る情報の変化が、子どもの身体や脳を育てる栄養素となります。
▼合わせて聴きたい
022 五感は古い。感覚は脳の栄養素〜七つの感覚と感覚統合
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/022-e18hu90
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今回は、子どもと栗拾いをしている時に、
これって視覚機能や身体操作の育ちにとても良いぞ、と気付いたことを共有します。
▼図と地の判別とは
一方をカタチとして捉えて、もう一方は背景として捉えること。
図と地の判別に課題があるということは、視覚で認知をすることに困難さがあって、日常の生活場面でも困りごとが起こります。
ビジョントレーニングという視覚を鍛える活動もありますが、
室内の活動に比べて、自然の中は、情報量がとても多くて、その中から必要な情報を見つけているというのは、とてもよい活動ですし、
遊びながら、楽しみながら取り組めます。
活動をしてると、知らず知らずに視覚機能が高まっていきます。
さらに、拾ってきた栗をたき火で焼いて食べるというように、
活動の発展もしやすいです。
▼合わせて聴きたい
014 非定型が子どもの身体と脳を育む
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/014-e164k73
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
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さんこまラジオ〜馬と子どもの現場を声で届けます
“力を抜く”ことで広がる世界──馬と身体がひとつになる瞬間とは?
馬と過ごす5月の合宿、今回はその「後半戦」の振り返り。テーマは、“力を使わない身体の在り方”。方条さんの「省エネ身体技法」や、空気のような圧で馬を動かすワークから、場をまるごと包み込む“ホール”の感覚、そして能動でも受動でもない「中動態的な関係性」まで——。子どもたちとの関わりや古武術の視点と共鳴しながら、言葉にしきれない体感がそっと輪郭を現していきます。
ホールでつながる空気感、馬と息を合わせる無言の対話、そして“刺さる”ように自然と溶け込むリズム。今回の合宿は、体と心、そして場そのものを信じる旅でした。
聴き終わる頃には、きっとあなたも「力を抜くって、こういうことかも」と感じられるはず。
ぜひ最後までお聴きください。
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「馬と身体」対談&鼎談 アーカイブ販売
馬と人、そして言葉〜馬と身体と子どもが教えてくれる、分断を越える生き方
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#ホースセラピー #森のようちえん #発達支援 #野外教育 #子どもと馬 #非言語コミュニケーション #身体性 #マインドフルネス #フロー体験 #子育てのヒント #言葉を超えて #感覚を育む #自分を感じる #体で学ぶ #自然の中で育つ #療育 #自由な遊び #プレイセラピー #感情と身体 #教育の原点
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## キーワード
`省エネ身体技法` `ホールとカットの感覚` `中動態`
## 主な学び
1. 省エネ身体技法: 力を抜いて脱力することで十分な力を発揮し、身体への負担を減らす技法。重心の操作や全身を使った着地など、馬との関わりにも応用される。実際のワークでは、馬をなるべく触れずに動かすことや、段階的に圧を高めていく体験も行われた。
2. ホールとカットの感覚: 全体を包み込む『ホール』の感覚と、部分的な『カット』の感覚の対比。馬や子どもたちと関わる際、場全体を捉えて一体感を持つことの重要性が語られ、実際に子どもたちの教室で場が一体化する瞬間があった。
3. 言語化の限界と最小の輪郭の共有: 体験や感覚を言葉にすることの難しさと、言葉で伝えられる最小限の輪郭を共有することの意義。言葉にできない部分が多いが、言葉を使うことで体験を深めたり他者と共有したりできる。
4. 中動態の感覚: 能動と受動の間にある『中動態』の感覚。馬や自然環境、武術などで体験される、コントロールとフュージョンの間の状態。東北地方の方言「〇〇ささる」もこの感覚を表現している。
5. 馬と身体合宿の対談・鼎談の内容: 2025年5月に行われた馬と身体合宿の夜の対談・鼎談の内容。古武術研究や身体思想観、子育て相談など多様な視点から語られ、家族連れの参加や具体的な子育て相談もあった。
## 知識の説明
### 1. 省エネ身体技法
– 力を抜いて脱力することで十分な力が出る。
– 重心を操作することが大事。
– 歩くときは重心を前に倒すことで自然に足が出る。
– 1メートルくらいの高さからジャンプして降りる際も、全身の関節をたたみながら着地し、音を立てずに猫のように降りることで身体の負担を減らす。
– 馬と関わる際も、力で動かそうとせず、なるべく触れずに動かすことでお互いの負荷が少ない。
– 馬を動かすワークでは、最初は触れずに手をかざして空気を押すようにし、動かない場合は段階的に圧を高めていく。
– **1メートルの高さからのジャンプ着地**
> 公道で1メートルくらいの高さの舞台からジャンプして降りる際、全身の関節をたたみながら着地し、足でドーンと衝撃を受けず、音を立てないように猫のように降りる。
1. 全身の関節をたたむことで衝撃を分散し、身体への負担を減らす。
2. 音を立てないようにすることで、着地の衝撃が少ないことを確認できる。
– **馬を触れずに動かすワーク**
> 2日目の最初に、馬をなるべく触れずに動かしてみるワークを実施。最初は手をかざして空気を押すようにして動かし、動かない場合は段階的に圧を高めていく。
1. 最初は触れずに手をかざして馬を動かすことを試みる。
2. 動かない場合は指先で軽く触れるなど、段階的に圧を高めていく。
3. 最終的には触れずに手を振るだけで馬が動くようになることを体験。
### 2. ホールとカットの感覚
– ホールは全体を包み込む感覚で、馬や自分、場全体が一つになっている状態。
– カットは部分的な感覚で、体の一部や動かし方などに意識が分断されている状態。
– ホールの状態では心地よいコミュニケーションややり取りが生まれる。
– 子どもたちの教室でも、場全体を捉えて関わることで一体感が生まれる。
– **子どもたちの教室でのホールの感覚**
> 講堂で子どもたちが騒がしく遊んでいたが、北條さんがスイッチを入れると場が静かになり、全体が一つになったような感覚が生まれた。
1. 最初は騒がしい状態だったが、北條さんの働きかけで場が静かになった。
2. 全体が一つになったようなホールの感覚が生まれた。
3. 部分的な意識(カット)ではなく、全体を包み込む感覚(ホール)が重要であることが実感された。
### 3. 言語化の限界と最小の輪郭の共有
– 感覚や体験は言葉で全てを伝えることができない。
– 言葉で伝えられるのは体験の輪郭のみ。
– 言葉にすることで体験や感覚を深めたり、他者と共有したりできる。
– 北條さんは言葉そのものを信頼していないが、言葉にすることの意義も認めている。
– 吉光さんも編集の仕事を通じて、言葉で伝えきれない体験の奥深さを感じている。
– **編集者の吉満さんの体験**
> 馬と体験したことで、言葉では全然追いつかないと感じ、編集の仕事を辞めてもいいかもと思ったが、それでも言葉が好きで、輪郭だけは伝えられるかもしれないと考えている。
1. 体験の全ては言葉にできないが、輪郭だけは伝えられる可能性がある。
2. 言葉にすることで他者と共有したり、体験を思い出したりできる。
– **方条さんの著書『上達論』**
> 言葉にはできないことを一冊の本を通して伝えている。
1. 言葉で全てを伝えることはできないが、言葉にすることで何かを伝えようとしている。
### 4. 中動態の感覚
– 中動態は能動と受動の間の状態を指す。
– 馬と一緒に歩くときも、コントロールではなくフュージョンする感覚。
– 東北地方の方言『刺さる』は中動態的な感覚を表す。
– 自然環境の中ではコントロールできない感覚が残っている。
– 都市では人間が設計した環境でコントロールできる感覚が強い。
– 武術でも、相手が技をかけられたと感じない状態で技が効いているのが理想とされる。
– **東北地方の方言『〇〇ささる』**
> 『この山菜食べ刺さっちゃうんだね』のように、食べているわけでもなく、自分の意志で食べているわけでもない、ついつい食べてしまうような感覚を表す。
1. 能動と受動の間の感覚を表現している。
2. 自然環境の中で生きている感覚が残っているため、今でも使われている。
– **馬と一緒に歩くリーディング**
> リードはたるんでいても、一緒に歩調を合わせて歩いている状態。無理やり引っ張るのではなく、自然に一緒に歩く感覚。
1. コントロールではなく、フュージョンする感覚が重要。
2. できているかできていないかがはっきりわかるワーク。
– **武術での技のかかり方**
> 相手が技をかけられたと感じない状態で技が効いているのが理想。自分もかけている感じがしないが、技が効いている状態。
1. 中動態的な感覚が武術にも共通している。
2. 結果がはっきりしているため、わかりやすい。
### 5. 馬と身体合宿の対談・鼎談の内容
– 対談はきびはらと方条さん、鼎談は吉満明子さん(千住出版)を加えた3人で行われた。
– 吉満さんはセンジュ出版という小さな出版社を10年運営している。
– 方条さんの古武術教室の場所も吉満さんが作った場所。
– 昼は古武術のお稽古、夜は対話の時間があった。
– 前半の対談では子育てや参加者からの質問に答えた。
– 家族連れでの参加や、具体的な子育て相談もあった。
– 身体的な視点や、異なる視点からの意見交換が行われた。
– 三陸駒舎で検索すると商品ページやアーカイブ販売の案内があり、概要欄にもリンクが掲載されている。

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