さんこまラジオは、
毎月のべ200名の子ども達が利用する三陸駒舎の現場から
馬との暮らしやホースセラピー、自然体験などを提供する中での、
気付きやノウハウを毎週音声でお届けしています。
- 子どもとの関わり方は、これでいいのかしら…
- 森のようちえんに、馬や動物も取り入れたい!
- 発達がちょっと気になる子がいるんだけど、どの様に支援したら良いの?
音声配信 さんこまラジオ
現在、三陸駒舎では、
発達にデコボコのあったりする未就学から小中学生の子ども達が、毎月延200名が利用し、
乗馬や馬の世話、森遊び、川遊びなどの自然体験、畑仕事など、様々な体験活動を提供しています。
子どもの発達には、馬や自然はとても良いと日々実感しており、
この経験をこの現場だけに留めておくのは、もったいないと、ネットラジオにして共有しています。
プレーパークや森のようちえんに関わる方々にも、お役に立てる内容です。
音声配信なので、家事をしながら、移動中など、スキマ時間でお聴きいただけます。
JAPAN OUTDOOR LEADERS AWARD (JOLA)とは、「アウトドアで未来の日本のための人づくり」をテーマにした活動に光を当てる賞です。
(以下に、その一部を転載)
全国51名のエントリーから6名がファイナリスト(優秀賞)として選出され、3/13(水)国立オリンピック記念青少年総合センターに集いました。当日、ファイナリストの中から、特別賞と大賞が発表されるのですが、なんとなんと大賞に選ばれました!(オンライン配信を見ていた娘が、発表の瞬間、驚きのあまり僕の体がのけぞっていた、とのこと)
このアワードは、個人を表彰するものですが、黍原個人の力ではなく、馬や子どもたち、現場を共に支えてくれているスタッフ達、これまでに関わりのあった方々のおかげで、いただくことができた賞です。これらの存在に感謝です。
選考委員会からは、次のような講評をいただきました。
【選考の講評】
岩手県釜石市の築100年を超える古民家をベースに、馬とのかかわりを手法とした人づくりを実践。馬とのやり取りを通して、自分自身を見つめ、成長を促していく。 馬と自然との暮らしから、人間としての土台作りに軸を置いているその姿勢、考え方や哲学、地域とのかかわりがJOLAの理念に最も合致すると考え、大賞に選出いたしましました。
このアワードが、自分にとってどんなものだったのか、いくつかの視点で振り返ってみます。
■
約2万文字の審査シート
このアワードのエントリーに際して、約2万文字(原稿用紙50枚!)を審査シートに書き綴りました。
審査シートは、合計13の項目があります。人づくりの考え方や哲学、フィールドの活用方法、社会性、アウトドアスキル、安全への考え方などについて、自身の取り組みや考えを表していきます。
13も項目があるので、様々な視点で普段は感覚的に取り組んでいることも言葉にすることで、活動の背景や自分の考えがはっきりとしました。学生時代から環境教育・野外教育の世界に携わって約25年になります。審査シートを書く作業は、一筋縄ではいかず右往左往しながらでしたが、25年の間にお世話になった方々、子ども達、様々な現場の風景などが目に浮かびました。今の自分があるのも、これらの存在のおかげだと再確認することができました。
そこのあなたも、ぜひこのアワードにエントリーを!
審査シートを作成することで、アウトドアで子ども達などに関わる人にとっては、自身の活動を振り返るとても良い機会になります。
文末に、審査シートの最後に書いた一部を添付します。ご興味ある方は、ご一読下さい。
■
表彰式に集う人々からエネルギーをもらう
集まった他のファイナリストの方々も、皆さんユニークな活動をされていて、フィールドも様々。魅力的な方々で、たくさんの刺激をいただきました。
ファイナリストの優秀賞の他にも20代のお二人が奨励賞として選出。僕が20代の時点では、あの審査シートに全く歯が立たなかったなぁ。お二人の話を伺っていると自分の活動に誇りをもって取り組んでいる情熱が伝わってきて、こちらもエネルギーが湧いてきました。
過去にファイナリストに選出された方々も授賞式に駆けつけていて、このアワードを通して、全国各地との新たなネットワークが生まれつつあります。アワード受賞者のつながりから、何か新しい取り組みが始まる兆しを感じました。
また、アワードの運営委員の皆さんや協賛企業の方々と直接お話しする機会が得られました。アワードそのものを支え、アウトドアを通して社会を良くしようと文化のようなものを醸成しようとする熱い思いを感じました。
アワードの評価基準(ルーブリック)をできあがるまでに2年間の時間を要したと、アワードの立ち上げから関わる高橋さんから伺いました。そもそも活動内容もフィールドも様々な人たちをどのように評価したら良いのか、現在の評価基準に至るまでは、何度も議論が交わされたとのことです。審査シートの項目で述べましたが、審査シートは本当に良くできた内容で、作成する中で、自分のこれまでの活動に向き合うことが求められます。
直接、様々な方々とお話するなかで、それぞれの立場で熱い思いを持って取り組んでいることを知りました。
今回、JOLA2024大賞という名誉ある賞をいただき、その重みを実感しました。
■
受賞は、ゴールではなく、道の途中
表彰式では、運営委員長の山田さんの挨拶の中で、JOLAでは「ソーシャルアウトドア」という考え方を広めていこうとしている、という話がありました。
▼
(以下、JOLAのサイトのソーシャルアウトドアの解説)
AIやITが発達すればするほどバランスをとるために必要なのがアウトドアや自然体験です。特に幼少期においては影響が大きいので配慮が必要だと言われています。人づくりにはアウトドアが必要なのです。またそのことが地域づくりにもつながっていると評価されることもあります。私たちはこのような視点をSocial Outdoor/ソーシャルアウトドア©️と呼んでいます。アウトドアフィールドで子どもや地域のウェルネスを考え、地に足の着いた取り組みを仲間と一緒に進めている、そういう方々に光を当てます。
▲
馬と共に活動するようになって、貧困・虐待・不登校・障がいなど様々な困難を抱える子ども達と関わることが増えました。
そのような子ども達が、馬や自然に出会うと様々な変化・成長が見られます。人間ができることは限られていて、馬や自然は偉大だと感じることも多いです。
現在、三陸駒舎では、福祉事業をメインにしていることから、障がい福祉の業界の状況を見聞きしてきました。
「自然体験・環境教育」の分野と「障がい福祉」の分野の両方にこれまで関わってきた僕としては、この2つの分野がもっと交わってほしいと強く願っています。
障がい福祉の分野にとっては、自然や動物達は、そこに携わる支援者の助けになります。もちろん、そこに関わる子ども達にとってもとても良い環境が提供されます。
自然体験・環境教育の分野にとっても、その場がもつ可能性がもっと活かされ、社会に対して、もっとお役立ちできると感じています。
大賞を受賞した後のスピーチで、次のようなエピソードをお話しました。
▼
セラピーの事業を開始した時の第1号の登録者の佐竹惇希さん、当時小4(現在は高2。最初は僕より背が小さかったのに、既に抜かされました。)。学校への行き渋りがあり、地元のスクールソーシャルワーカーの紹介で利用開始となりました。惇希さんは、友達とのトラブルがあって、本人は話すのが少し苦手で、嫌がらせに対して言い返せないこともあって、その子の筆箱をゴミ箱に捨てたりとか、辛い思いから母親に「なんで僕は学校に行かなくてはいけないの?」とこぼすようになっていたそうです。
三陸駒舎に来たときは、動物は大好きで馬の世話や乗馬など積極的に行っていました。ただ、試し行動のようなものも見られました。馬の活動が終わった後に、よく集落内を散歩していたのですが、自分の帽子を他人の家の敷地に投げ入れたり、橋の欄干の間から身を乗り出して川をのぞき込んだり(「やめて〜」と言いながら足を押さえていました…)などと、いわゆる試し行動のようなものも見られていました。
しかし、利用開始から3ヶ月ほど過ぎると、そのような行動も見られなくなりました。さらに、馬の活動の他に、よく薪割りをしていたのですが、割った薪を使って釘で四角い箱状に組み立てたかと思ったら玄関先に付けてポストにしました。数日後、そのポストには、手紙が入っていて、惇希さんが、「黍原さん、手紙が届いていました!」と手紙を手渡してくれて、手紙をひらいていて見ると、乗馬をする惇希さんの絵が書かれていました。(惇希さんの自作自演)
惇希さんが元々持っていたエネルギーが最初は負の方向に出ていたのが、ここで過ごすうちに正の方向に転じていったのだと感じました。
こんな感じで、惇希さんの様子が変化していくうちに、利用する子どもも増えて来て、惇希さんが他子どもたちと一緒に馬の手入れをしたり、乗馬をしたりするようになりました。ある日、惇希さんが他子どもたちと鬼ごっこなどをして一緒に遊んでいる様子を伝えました。すると、惇希さんのお母さんから、次のようなコメントをもらいました。
「えっ、惇希が他の子と遊ぶんですか?元々惇希は自閉症で、みんなと遊ばない、仲間に入れないというイメージでした。
でもここに来ると、そういう障害があるのを忘れます」
最後の一文を聞いたときに、三陸駒舎を立ち上げて、様々な苦労もありましたが、この言葉を聞くために、馬と一緒にやってきたのだと、思いました。
▲
馬は、僕らをカテゴリーや役職などで見たりしません。人間を平等に扱います。
馬たちと、この場を作ってきたことで、障害があっても・なくても関係がなく、全てが調和した世界に自然となっていったのだと実感しました。
しかし、社会を見渡せば、差別や格差は今も根強く残ります。(格差は逆に開いているぐらい…)
このエピソードは、釜石の山奥での出来事ですが、このような馬がつくり出す世界が広がっていけば、差別や格差はもとより、戦争や紛争などの争い事も泣くなり、誰もが幸せに暮らせる調和した世界になると信じています。
お勧めテーマを3つ紹介します
毎週コツコツと更新を続け30本の番組となりました。(2021/12/06現在)
本数も増えてきたので、3つのお勧めテーマで、3番組ずつ紹介したいと思います。
子どもとのコミュニケーションを馬から学ぶ
子どもとのコミュニケーションの深め方を馬との関わりから捉え直します。
馬とコミュニケーションを図る時には、フェーズという構造を用いています。
フェーズを意識できるようになると、子どもとの関わる際にも適切なコミュニケーションが取れるようになります。
フェーズは、0から4までの4段階あります。各フェーズの中にも強さの違いもあります。
▼合わせて聴きたい
010 馬との関わりは、子どもとのコミュニケーションに通じる 子ども支援に関わるスタッフのトレーニングに最適、馬が先生
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/010-e139grk
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
https://peing.net/ja/kibihara
#ホースセラピー #森のようちえん #馬 #子育て #岩手 #釜石 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #感覚統合 #障害児 #障がい児 #自然 #放課後等デイサービス #児童発達支援 #療育 #環境教育 #岩手 #釜石 #復興 #古民家
子ども達と関わる時にその場を読み取る力をつけるには、どうしたら良いでしょうか?
馬とコミュニケーションを深める際に、丁寧なコミュニケーションが求められます。
このコミュニケーションの力は、子ども達と関わる時にとても活かされます。
その場を読み取る力—解像度を上げるために、馬から学べることが多くあります。
解像度を上げる方法、適切に場面を捉える力の養い方についても語りました。
▼合わせて聴きたい!
010 馬との関わりは、子どもとのコミュニケーションに通じる スタッフ研修に馬が良い理由
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/010-e139grk
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
#ホースセラピー #森のようちえん #馬 #子育て #岩手 #釜石 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #感覚統合 #障害児 #障がい児 #自然 #放課後等デイサービス #児童発達支援 #療育 #環境教育 #岩手 #釜石 #復興 #古民家
前回、お話した馬のコミュニケーションの特徴の2つのポイント
- 空気、雰囲気を感じる力
- 誰とでも平等に接する(先入観を持たないで関わる)
は、子どもとコミュニケーションを深める上でも重要な要素です。
馬を先生に子どもとのコミュニケーションを学ぶことができます。
▼合わせて聴きたい
009 馬とのコミュニケーション〜馬はKY(空気読める)、自分の心と映す鏡、誰とでも平等に接する
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/009-KY-e130s83
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
https://peing.net/ja/kibihara
#ホースセラピー #ホースコーチング #森のようちえん #馬 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #子育て #感覚統合 #障害児 #障がい児 #自然 #放課後等デイサービス #児童発達支援 #療育 #環境教育 #岩手 #釜石 #復興
森での活動内容を考える上で役に立つツール3選
子どもの学び・育ちにつながるプログラムづくりポイント
子どもの成長や学びを推し進めるために3つの歯車をかみ合わせることが重要です。
3つの歯車とは、「個性」「環境」「課題」
それぞれの歯車をかみ合わせるための考え方について、詳しく語りました。
この3つ歯車の考え方は、子どもの成長や学びだけに留まらず、組織運営などにも応用可能です。
ぜひ、様々な現場でこの考え方を活かして下さい!
▼合わせて聴きたい
018 コミュニケーションの段階 〜適切な強さで関わりが出来ていますか?〜
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/018-e17hb41
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
https://peing.net/ja/kibihara
#ホースセラピー #森のようちえん #馬 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #子育て #環境教育 #釜石 #復興 #古民家
子どもの主体的な学びには、「意味ある活動」がとても大切です。
馬の暮らし型セラピーが子どもの学びにとって効果的な特徴の一つして「意味ある活動」として提供されていることがあります。
「意味ある活動」とは、どんなものなのか、具体例も交えて紹介しています。
▼合わせて聴きたい
013 成長・学びのカギとなる3つの歯車
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/013-3-e15s58g
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
https://peing.net/ja/kibihara
#ホースセラピー #森のようちえん #馬 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #環境教育 #釜石 #復興 #古民家
子どもの学びが一番進む課題の難易度の設定のポイントは、難しすぎず・簡単すぎず、「ちょっと頑張って達成できる」です。
子どもの反応を見ながら課題の難易度の調整をします。子どもが集中していたり、生き生きした表情をしているのが一つのサイン。
馬の活動の具体的な事例も紹介しながら解説しました。
▼合わせて聴きたい
013 成長・学びのカギとなる3つの歯車
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/013-3-e15s58g
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
#ホースセラピー #ホースコーチング #森のようちえん #馬 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #子育て #感覚統合 #障害児 #障がい児 #自然 #放課後等デイサービス #児童発達支援 #療育 #環境教育 #岩手 #釜石 #復興
でこぼこした発達の子どもとどう関わるか?
ちょっと気になる子に対して、私たちはどの様にアプローチしたら良いのか、そのヒントが得られます。
自然体験は、五感に良いと良く言いますが、具体的にどう良いのでしょうか?
そもそも五感という考えが古くて、7つの感覚があります。
五感の他に、前庭覚、固有受容覚という感覚があります。
それぞれ、どんな感覚なのか、解説しました。
▼合わせて聴きたい
048 感覚は脳が育つ栄養素〜感覚統合で見えてくる子どもの必要な遊び〜
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/048-e1h8im8
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
#ホースセラピー #森のようちえん #馬 #子育て #岩手 #釜石 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #感覚統合 #障害児 #障がい児 #自然 #放課後等デイサービス #児童発達支援 #療育 #環境教育 #岩手 #釜石 #復興 #古民家
自然や馬の活動の中には、非定型なモノであふれています。
非定型とは、型が定まっていない状態。つまり、人工的な環境とは真逆ということ。
自然や馬は、非定型で、情報量が人工的な環境とは格段に多くなります。
同じような活動をしていても、ちょっとした子どもの動きの違いで、環境から受け取る情報は変わってきます。その日の天候やコンディションによっても変わってきます。
同じように見えても同じ体験はありません。
支援者・保育者が、活動の設定をあまりしなくても、子ども自身が活動の難易度の調整もすることが出来ます。つまり、その子にあった活動に自然と変化していきます。
環境から受け取る情報の変化が、子どもの身体や脳を育てる栄養素となります。
▼合わせて聴きたい
022 五感は古い。感覚は脳の栄養素〜七つの感覚と感覚統合
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/022-e18hu90
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
https://peing.net/ja/kibihara
#ホースセラピー #森のようちえん #馬 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #子育て #感覚統合 #障害児 #障がい児 #自然 #放課後等デイサービス #児童発達支援 #療育 #環境教育 #岩手 #釜石 #復興 #古民家
今回は、子どもと栗拾いをしている時に、
これって視覚機能や身体操作の育ちにとても良いぞ、と気付いたことを共有します。
▼図と地の判別とは
一方をカタチとして捉えて、もう一方は背景として捉えること。
図と地の判別に課題があるということは、視覚で認知をすることに困難さがあって、日常の生活場面でも困りごとが起こります。
ビジョントレーニングという視覚を鍛える活動もありますが、
室内の活動に比べて、自然の中は、情報量がとても多くて、その中から必要な情報を見つけているというのは、とてもよい活動ですし、
遊びながら、楽しみながら取り組めます。
活動をしてると、知らず知らずに視覚機能が高まっていきます。
さらに、拾ってきた栗をたき火で焼いて食べるというように、
活動の発展もしやすいです。
▼合わせて聴きたい
014 非定型が子どもの身体と脳を育む
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/014-e164k73
質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
https://peing.net/ja/kibihara
#ホースセラピー #ホースコーチング #森のようちえん #馬 #アニマルセラピー #セラピー #自然保育 #自然体験 #子育て #感覚統合 #障害児 #障がい児 #自然 #放課後等デイサービス #児童発達支援 #療育 #環境教育 #岩手 #釜石 #復興
ご質問、ご感想をお寄せ下さい!
「さんこまラジオ」への、ご質問やご感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集しています。
これまでの配信はこちらから
JAPAN OUTDOOR LEADERS AWARD (JOLA)とは、「アウトドアで未来の日本のための人づくり」をテーマにした活動に光を当てる賞です。
(以下に、その一部を転載)
全国51名のエントリーから6名がファイナリスト(優秀賞)として選出され、3/13(水)国立オリンピック記念青少年総合センターに集いました。当日、ファイナリストの中から、特別賞と大賞が発表されるのですが、なんとなんと大賞に選ばれました!(オンライン配信を見ていた娘が、発表の瞬間、驚きのあまり僕の体がのけぞっていた、とのこと)
このアワードは、個人を表彰するものですが、黍原個人の力ではなく、馬や子どもたち、現場を共に支えてくれているスタッフ達、これまでに関わりのあった方々のおかげで、いただくことができた賞です。これらの存在に感謝です。
選考委員会からは、次のような講評をいただきました。
【選考の講評】
岩手県釜石市の築100年を超える古民家をベースに、馬とのかかわりを手法とした人づくりを実践。馬とのやり取りを通して、自分自身を見つめ、成長を促していく。 馬と自然との暮らしから、人間としての土台作りに軸を置いているその姿勢、考え方や哲学、地域とのかかわりがJOLAの理念に最も合致すると考え、大賞に選出いたしましました。
このアワードが、自分にとってどんなものだったのか、いくつかの視点で振り返ってみます。
■
約2万文字の審査シート
このアワードのエントリーに際して、約2万文字(原稿用紙50枚!)を審査シートに書き綴りました。
審査シートは、合計13の項目があります。人づくりの考え方や哲学、フィールドの活用方法、社会性、アウトドアスキル、安全への考え方などについて、自身の取り組みや考えを表していきます。
13も項目があるので、様々な視点で普段は感覚的に取り組んでいることも言葉にすることで、活動の背景や自分の考えがはっきりとしました。学生時代から環境教育・野外教育の世界に携わって約25年になります。審査シートを書く作業は、一筋縄ではいかず右往左往しながらでしたが、25年の間にお世話になった方々、子ども達、様々な現場の風景などが目に浮かびました。今の自分があるのも、これらの存在のおかげだと再確認することができました。
そこのあなたも、ぜひこのアワードにエントリーを!
審査シートを作成することで、アウトドアで子ども達などに関わる人にとっては、自身の活動を振り返るとても良い機会になります。
文末に、審査シートの最後に書いた一部を添付します。ご興味ある方は、ご一読下さい。
■
表彰式に集う人々からエネルギーをもらう
集まった他のファイナリストの方々も、皆さんユニークな活動をされていて、フィールドも様々。魅力的な方々で、たくさんの刺激をいただきました。
ファイナリストの優秀賞の他にも20代のお二人が奨励賞として選出。僕が20代の時点では、あの審査シートに全く歯が立たなかったなぁ。お二人の話を伺っていると自分の活動に誇りをもって取り組んでいる情熱が伝わってきて、こちらもエネルギーが湧いてきました。
過去にファイナリストに選出された方々も授賞式に駆けつけていて、このアワードを通して、全国各地との新たなネットワークが生まれつつあります。アワード受賞者のつながりから、何か新しい取り組みが始まる兆しを感じました。
また、アワードの運営委員の皆さんや協賛企業の方々と直接お話しする機会が得られました。アワードそのものを支え、アウトドアを通して社会を良くしようと文化のようなものを醸成しようとする熱い思いを感じました。
アワードの評価基準(ルーブリック)をできあがるまでに2年間の時間を要したと、アワードの立ち上げから関わる高橋さんから伺いました。そもそも活動内容もフィールドも様々な人たちをどのように評価したら良いのか、現在の評価基準に至るまでは、何度も議論が交わされたとのことです。審査シートの項目で述べましたが、審査シートは本当に良くできた内容で、作成する中で、自分のこれまでの活動に向き合うことが求められます。
直接、様々な方々とお話するなかで、それぞれの立場で熱い思いを持って取り組んでいることを知りました。
今回、JOLA2024大賞という名誉ある賞をいただき、その重みを実感しました。
■
受賞は、ゴールではなく、道の途中
表彰式では、運営委員長の山田さんの挨拶の中で、JOLAでは「ソーシャルアウトドア」という考え方を広めていこうとしている、という話がありました。
▼
(以下、JOLAのサイトのソーシャルアウトドアの解説)
AIやITが発達すればするほどバランスをとるために必要なのがアウトドアや自然体験です。特に幼少期においては影響が大きいので配慮が必要だと言われています。人づくりにはアウトドアが必要なのです。またそのことが地域づくりにもつながっていると評価されることもあります。私たちはこのような視点をSocial Outdoor/ソーシャルアウトドア©️と呼んでいます。アウトドアフィールドで子どもや地域のウェルネスを考え、地に足の着いた取り組みを仲間と一緒に進めている、そういう方々に光を当てます。
▲
馬と共に活動するようになって、貧困・虐待・不登校・障がいなど様々な困難を抱える子ども達と関わることが増えました。
そのような子ども達が、馬や自然に出会うと様々な変化・成長が見られます。人間ができることは限られていて、馬や自然は偉大だと感じることも多いです。
現在、三陸駒舎では、福祉事業をメインにしていることから、障がい福祉の業界の状況を見聞きしてきました。
「自然体験・環境教育」の分野と「障がい福祉」の分野の両方にこれまで関わってきた僕としては、この2つの分野がもっと交わってほしいと強く願っています。
障がい福祉の分野にとっては、自然や動物達は、そこに携わる支援者の助けになります。もちろん、そこに関わる子ども達にとってもとても良い環境が提供されます。
自然体験・環境教育の分野にとっても、その場がもつ可能性がもっと活かされ、社会に対して、もっとお役立ちできると感じています。
大賞を受賞した後のスピーチで、次のようなエピソードをお話しました。
▼
セラピーの事業を開始した時の第1号の登録者の佐竹惇希さん、当時小4(現在は高2。最初は僕より背が小さかったのに、既に抜かされました。)。学校への行き渋りがあり、地元のスクールソーシャルワーカーの紹介で利用開始となりました。惇希さんは、友達とのトラブルがあって、本人は話すのが少し苦手で、嫌がらせに対して言い返せないこともあって、その子の筆箱をゴミ箱に捨てたりとか、辛い思いから母親に「なんで僕は学校に行かなくてはいけないの?」とこぼすようになっていたそうです。
三陸駒舎に来たときは、動物は大好きで馬の世話や乗馬など積極的に行っていました。ただ、試し行動のようなものも見られました。馬の活動が終わった後に、よく集落内を散歩していたのですが、自分の帽子を他人の家の敷地に投げ入れたり、橋の欄干の間から身を乗り出して川をのぞき込んだり(「やめて〜」と言いながら足を押さえていました…)などと、いわゆる試し行動のようなものも見られていました。
しかし、利用開始から3ヶ月ほど過ぎると、そのような行動も見られなくなりました。さらに、馬の活動の他に、よく薪割りをしていたのですが、割った薪を使って釘で四角い箱状に組み立てたかと思ったら玄関先に付けてポストにしました。数日後、そのポストには、手紙が入っていて、惇希さんが、「黍原さん、手紙が届いていました!」と手紙を手渡してくれて、手紙をひらいていて見ると、乗馬をする惇希さんの絵が書かれていました。(惇希さんの自作自演)
惇希さんが元々持っていたエネルギーが最初は負の方向に出ていたのが、ここで過ごすうちに正の方向に転じていったのだと感じました。
こんな感じで、惇希さんの様子が変化していくうちに、利用する子どもも増えて来て、惇希さんが他子どもたちと一緒に馬の手入れをしたり、乗馬をしたりするようになりました。ある日、惇希さんが他子どもたちと鬼ごっこなどをして一緒に遊んでいる様子を伝えました。すると、惇希さんのお母さんから、次のようなコメントをもらいました。
「えっ、惇希が他の子と遊ぶんですか?元々惇希は自閉症で、みんなと遊ばない、仲間に入れないというイメージでした。
でもここに来ると、そういう障害があるのを忘れます」
最後の一文を聞いたときに、三陸駒舎を立ち上げて、様々な苦労もありましたが、この言葉を聞くために、馬と一緒にやってきたのだと、思いました。
▲
馬は、僕らをカテゴリーや役職などで見たりしません。人間を平等に扱います。
馬たちと、この場を作ってきたことで、障害があっても・なくても関係がなく、全てが調和した世界に自然となっていったのだと実感しました。
しかし、社会を見渡せば、差別や格差は今も根強く残ります。(格差は逆に開いているぐらい…)
このエピソードは、釜石の山奥での出来事ですが、このような馬がつくり出す世界が広がっていけば、差別や格差はもとより、戦争や紛争などの争い事も泣くなり、誰もが幸せに暮らせる調和した世界になると信じています。
ポッドキャストのアプリで番組を登録いただくと、新しい配信が自動的に届くようになります。
お勧めのアプリ
- iphone → 【アプリ】Apple Podcast 番組登録
- android → 【アプリ】Overcast 番組登録
- Spotifyでも登録できます。
コメント