子どもの育ちと安全性の担保のバランスをどの様に取るのか?
3つの視点+1で語りました。
“力を抜く”ことで広がる世界──馬と身体がひとつになる瞬間とは?
馬と過ごす5月の合宿、今回はその「後半戦」の振り返り。テーマは、“力を使わない身体の在り方”。方条さんの「省エネ身体技法」や、空気のような圧で馬を動かすワークから、場をまるごと包み込む“ホール”の感覚、そして能動でも受動でもない「中動態的な関係性」まで——。子どもたちとの関わりや古武術の視点と共鳴しながら、言葉にしきれない体感がそっと輪郭を現していきます。
ホールでつながる空気感、馬と息を合わせる無言の対話、そして“刺さる”ように自然と溶け込むリズム。今回の合宿は、体と心、そして場そのものを信じる旅でした。
聴き終わる頃には、きっとあなたも「力を抜くって、こういうことかも」と感じられるはず。
ぜひ最後までお聴きください。
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「馬と身体」対談&鼎談 アーカイブ販売
馬と人、そして言葉〜馬と身体と子どもが教えてくれる、分断を越える生き方
https://kamakoma.org/shintai202505_dialogue/
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## キーワード
`省エネ身体技法` `ホールとカットの感覚` `中動態`
## 主な学び
1. 省エネ身体技法: 力を抜いて脱力することで十分な力を発揮し、身体への負担を減らす技法。重心の操作や全身を使った着地など、馬との関わりにも応用される。実際のワークでは、馬をなるべく触れずに動かすことや、段階的に圧を高めていく体験も行われた。
2. ホールとカットの感覚: 全体を包み込む『ホール』の感覚と、部分的な『カット』の感覚の対比。馬や子どもたちと関わる際、場全体を捉えて一体感を持つことの重要性が語られ、実際に子どもたちの教室で場が一体化する瞬間があった。
3. 言語化の限界と最小の輪郭の共有: 体験や感覚を言葉にすることの難しさと、言葉で伝えられる最小限の輪郭を共有することの意義。言葉にできない部分が多いが、言葉を使うことで体験を深めたり他者と共有したりできる。
4. 中動態の感覚: 能動と受動の間にある『中動態』の感覚。馬や自然環境、武術などで体験される、コントロールとフュージョンの間の状態。東北地方の方言「〇〇ささる」もこの感覚を表現している。
5. 馬と身体合宿の対談・鼎談の内容: 2025年5月に行われた馬と身体合宿の夜の対談・鼎談の内容。古武術研究や身体思想観、子育て相談など多様な視点から語られ、家族連れの参加や具体的な子育て相談もあった。
## 知識の説明
### 1. 省エネ身体技法
– 力を抜いて脱力することで十分な力が出る。
– 重心を操作することが大事。
– 歩くときは重心を前に倒すことで自然に足が出る。
– 1メートルくらいの高さからジャンプして降りる際も、全身の関節をたたみながら着地し、音を立てずに猫のように降りることで身体の負担を減らす。
– 馬と関わる際も、力で動かそうとせず、なるべく触れずに動かすことでお互いの負荷が少ない。
– 馬を動かすワークでは、最初は触れずに手をかざして空気を押すようにし、動かない場合は段階的に圧を高めていく。
– **1メートルの高さからのジャンプ着地**
> 公道で1メートルくらいの高さの舞台からジャンプして降りる際、全身の関節をたたみながら着地し、足でドーンと衝撃を受けず、音を立てないように猫のように降りる。
1. 全身の関節をたたむことで衝撃を分散し、身体への負担を減らす。
2. 音を立てないようにすることで、着地の衝撃が少ないことを確認できる。
– **馬を触れずに動かすワーク**
> 2日目の最初に、馬をなるべく触れずに動かしてみるワークを実施。最初は手をかざして空気を押すようにして動かし、動かない場合は段階的に圧を高めていく。
1. 最初は触れずに手をかざして馬を動かすことを試みる。
2. 動かない場合は指先で軽く触れるなど、段階的に圧を高めていく。
3. 最終的には触れずに手を振るだけで馬が動くようになることを体験。
### 2. ホールとカットの感覚
– ホールは全体を包み込む感覚で、馬や自分、場全体が一つになっている状態。
– カットは部分的な感覚で、体の一部や動かし方などに意識が分断されている状態。
– ホールの状態では心地よいコミュニケーションややり取りが生まれる。
– 子どもたちの教室でも、場全体を捉えて関わることで一体感が生まれる。
– **子どもたちの教室でのホールの感覚**
> 講堂で子どもたちが騒がしく遊んでいたが、北條さんがスイッチを入れると場が静かになり、全体が一つになったような感覚が生まれた。
1. 最初は騒がしい状態だったが、北條さんの働きかけで場が静かになった。
2. 全体が一つになったようなホールの感覚が生まれた。
3. 部分的な意識(カット)ではなく、全体を包み込む感覚(ホール)が重要であることが実感された。
### 3. 言語化の限界と最小の輪郭の共有
– 感覚や体験は言葉で全てを伝えることができない。
– 言葉で伝えられるのは体験の輪郭のみ。
– 言葉にすることで体験や感覚を深めたり、他者と共有したりできる。
– 北條さんは言葉そのものを信頼していないが、言葉にすることの意義も認めている。
– 吉光さんも編集の仕事を通じて、言葉で伝えきれない体験の奥深さを感じている。
– **編集者の吉満さんの体験**
> 馬と体験したことで、言葉では全然追いつかないと感じ、編集の仕事を辞めてもいいかもと思ったが、それでも言葉が好きで、輪郭だけは伝えられるかもしれないと考えている。
1. 体験の全ては言葉にできないが、輪郭だけは伝えられる可能性がある。
2. 言葉にすることで他者と共有したり、体験を思い出したりできる。
– **方条さんの著書『上達論』**
> 言葉にはできないことを一冊の本を通して伝えている。
1. 言葉で全てを伝えることはできないが、言葉にすることで何かを伝えようとしている。
### 4. 中動態の感覚
– 中動態は能動と受動の間の状態を指す。
– 馬と一緒に歩くときも、コントロールではなくフュージョンする感覚。
– 東北地方の方言『刺さる』は中動態的な感覚を表す。
– 自然環境の中ではコントロールできない感覚が残っている。
– 都市では人間が設計した環境でコントロールできる感覚が強い。
– 武術でも、相手が技をかけられたと感じない状態で技が効いているのが理想とされる。
– **東北地方の方言『〇〇ささる』**
> 『この山菜食べ刺さっちゃうんだね』のように、食べているわけでもなく、自分の意志で食べているわけでもない、ついつい食べてしまうような感覚を表す。
1. 能動と受動の間の感覚を表現している。
2. 自然環境の中で生きている感覚が残っているため、今でも使われている。
– **馬と一緒に歩くリーディング**
> リードはたるんでいても、一緒に歩調を合わせて歩いている状態。無理やり引っ張るのではなく、自然に一緒に歩く感覚。
1. コントロールではなく、フュージョンする感覚が重要。
2. できているかできていないかがはっきりわかるワーク。
– **武術での技のかかり方**
> 相手が技をかけられたと感じない状態で技が効いているのが理想。自分もかけている感じがしないが、技が効いている状態。
1. 中動態的な感覚が武術にも共通している。
2. 結果がはっきりしているため、わかりやすい。
### 5. 馬と身体合宿の対談・鼎談の内容
– 対談はきびはらと方条さん、鼎談は吉満明子さん(千住出版)を加えた3人で行われた。
– 吉満さんはセンジュ出版という小さな出版社を10年運営している。
– 方条さんの古武術教室の場所も吉満さんが作った場所。
– 昼は古武術のお稽古、夜は対話の時間があった。
– 前半の対談では子育てや参加者からの質問に答えた。
– 家族連れでの参加や、具体的な子育て相談もあった。
– 身体的な視点や、異なる視点からの意見交換が行われた。
– 三陸駒舎で検索すると商品ページやアーカイブ販売の案内があり、概要欄にもリンクが掲載されている。

【合わせて聴きたい】036 子どもを大人が設定した枠に閉じ込めていないか?〜馬に頼ることで、大人の手から離れて子どもは育つ
馬や自然に委ねることで、子どもは自ら育ちたい方向に育っていきます。
委ねることで、子どもと横の関係を築くことにもつながります。
今回の内容は、社会学者の宮台真司さん、おおたとしまささんのトークライブからの学びの1つを共有しました。
お二人のトークライブは2/10(木)までアーカイブ視聴ができます。
これからの時代に、なぜ森のようちえんなどの場が必要なのか、未来を担う人材はどの様な学び・教育が必要なのか、
様々なヒントが詰まっています。
社会学者の宮台真司さんのご著書「子育て指南書 ウンコのおじさん」
https://amzn.to/32nHvje
読み途中ですが、とても面白そう。
おおたとしまささんの著書「ルポ 森のようちえん SDGs時代の子育てスタイル」
https://amzn.to/3FMuhKE
こちらの刊行がきっかけになったトークライブです。
多くの現場を取材されて森のようちえんを多面的に捉えています。
【アーカイブ動画視聴】宮台真司×おおたとしまさ「『日本の劣化』を食い止めるカギは『森のようちえん』にある!?」『ルポ森のようちえん SDGs時代の子育てスタイル』(集英社)刊行記念
https://bbarchive220110a.peatix.com/
▼合わせて聴きたい
014 なぜ馬・自然が子どもの育ちに良いのか?非定型が子どもの身体と脳を育む
https://anchor.fm/kamakoma/episodes/014-e164k73
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質問や感想、今後取り上げて欲しいテーマなどをコチラで募集中です
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さんこまラジオ〜馬と子どもの現場を声で届けます
今回のテーマは、「自然災害と自然体験・野外教育の関係」について。
東日本大震災をきっかけに活動を始めたきびはらが、災害の多い時代における“自然との付き合い方”を、馬との暮らしや野外教育の実践を通じて語ります。
お話の中では、「自然に生かされている感覚」「地域とのつながり」「外部とのつながり」「足元の資源を見直す視点」など、災害を乗り越える力となる“自然体験”の本質に迫ります。釜石の子どもたちとおじいちゃんの絵本から紡がれるエピソードや、集落が孤立した台風の体験も交えながら、深く温かい語りが展開されます。
“自然は怖い。でも、恵みもくれる。”
そんな二面性を抱えた自然とどう向き合い、次世代へどんな「暮らし」を手渡せるのか。自然体験が生み出す「土地に抱かれる感覚」は、災害のあとにこそ必要な「再生の力」となるのかもしれません。
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ぜひ最後までお聴きください。
お便りフォーム→ https://bit.ly/4hhsQr1
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自然はただそこに
[Verse]
古民家に馬と暮らし 百年超えた時を抱き
風が運ぶ過去と今を 胸に感じている
海が怒る夜もある 山が沈黙する日も
それでも生かされてる この大地に生かされてる
[Chorus]
自然はただそこにある 善も悪も持たずに
恵みも恐れも すべて抱きしめて
揺れた町に響く声 逃げろと叫ぶ絵本のように
命をつなぐその手が 希望の道を描いてく
[Verse]
つながる地域の言葉 受け継ぐ土のあたたかさ
旅する風が運ぶ 外との回路ひらいてく
誰かが来てくれる 壊れた街に光が
巡る知恵と笑顔で 再び息を吹き込む
[Bridge]
足元にあったものが 誇りに変わる瞬間
この土地で生きてきた意味 子どもたちが教えてくれた
馬も木も人も皆 それぞれの個性で
デコボコのままでいい かみ合う未来を創ろう
[Outro]
もう一度立ち上がれる 命があればそれでいい
壊れたあとに咲く花を 信じて歩いていこう
この大地と共に また明日へと
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# 自然災害と野外教育・自然体験の関係について
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## ◆ 概要
– **番組名:** 3コマラジオ
– **語り手:** 木々原(馬三島と共に古民家暮らし)
– **テーマ:** 自然災害と野外教育・自然体験の関連性
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## ◆ 背景
– 近年の自然災害(例:東日本大震災、能登半島地震、線状降水帯による豪雨など)の頻発
– 「3コマ社」は東日本大震災を契機に創設
– 災害時、野外教育や自然体験がどのような役割を果たせるかを探る
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## ◆ 野外教育・自然体験が果たす4つの役割
### ① 自然に「生かされている」感覚の涵養
– 災害は「自然現象」そのものであり、善悪の区別は人間側の解釈
– 自然に生かされているという視点が、災害後の再生活動を支える
– 釜石の絵本『津波てんでんこ』の中で、海を「怖いけど悪くない」と語る祖父の言葉が象徴的
### ② 地域・土地とのつながりを深める
– 震災後、自然体験を通じて「地域に生かされている」感覚を実感
– 土地とのつながりがあるからこそ、次世代に引き継ぐ意識が芽生える
– 土地性(土地らしさ)を体感することが地域への誇りにつながる
### ③ 外部とのつながりの回路を持つ
– 自然体験により、地域内外の人との接点が生まれる
– 災害時の支援や交流がスムーズに行える土壌になる
– 台風10号の被災時、震災時に来てくれたボランティアが再び支援に訪れた事例あり
### ④ 足元の資源を捉え直す
– 体験活動を通じ、地域の自然資源や文化資源を再発見
– 地元の人にとって「当たり前のもの」が「特別な価値」として認識される
– 地域が誇りを取り戻すきっかけとなる
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## ◆ 副次的な気づきと提言
– 災害による「壊れ」が、再生のエネルギーになることがある
– 地方では人口減少が進む中、一人ひとりの個性や力を生かす視点が重要
– 馬などの動物や自然も含め、さまざまな「特性」を組み合わせて生きることが求められる
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## ◆ まとめ(4つの柱)
1. **自然に生かされている感覚を育む**
2. **地域・土地とのつながりを深める**
3. **外部とのつながりの回路を持つ**
4. **足元の資源を捉え直し、地域が誇りを取り戻す**
> 加えて、「変化の受容」「個性の活用」が大切な要素として挙げられる
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## ◆ 今後の展開
– **次回予告:**
– 本編では話しきれなかった「自然災害と自然体験・野外教育の関係」を、次回の後編でさらに深掘り予定
– **ラストメッセージ:**
– 災害とどう向き合い、自然とどう共に生きるか
– 今こそ、体験を通してその本質に触れることの大切さを伝えたい
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